読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Found in Interpreting

通訳・英語教育・時事などについて書いています

いずも

「いずも」が新安保法制のもとで米軍の護衛をすることになりました。この「いずも」ですが、NHKの英語ニュースではdestroyerとなっています。日本語では「護衛艦」になっているのですが、destroyerを日本語に直訳すると、destroyなので「駆逐艦」のほうがしっくりきますね。なんだか物騒な名前です。

軍事用語などは、翻訳が少しずれていることがあります。意図的なのかもしれません。例えば自衛隊はSelf Defense Forces(SDF)ですが、BBCなどではJapanese armyと呼ばれているのを聞いたこともあります。日本には平和憲法があるので、軍はなく、あくまで「自衛隊」ということになっているのですが、諸外国は自衛隊を日本の軍だと捉えているということですね。

また、wiretappingのような表現なども、頭にすっと入ってくる翻訳は「盗聴」だと思いますが、実際は「通信傍受」のような訳語が当てられています。当局が捜査の一環としてwiretappingを行うこともあるのでしょうから、「盗聴」というのは聞こえが悪いのかもしれません。

日本の防衛省に当たるのは、米国では国防総省ですが、呼び方は複数あります。アメリカの省庁はministryとは呼ばれず、departmentが使われます。国防総省であればDepartment of Defense(DoD)ですが、ペンタゴンと呼ばれることもあります。このように名詞を言い換えるのは英語独特の現象で、日本語でこれをやると聞き手を混乱させるので、通訳するときも場合によっては統一した方が分かりやすくなります。ちなみに日本の外務省に当たるのは国務省、state departmentです。日本では各省のトップは大臣、ministerですが、アメリカでは長官、secretaryです。イギリスではministerとsecretaryのどちらも使うようです。このような大臣職は、国によって違いがあるので注目してみると面白いです。たとえば日本には復興大臣や一億総活躍大臣のような独自の大臣がいますが、国によっては家族大臣や女性大臣、石油大臣に宗教大臣といった「なるほど、この国であればそういう大臣がいてもおかしくないかも」という大臣職があります。

ちなみにEUには外交・安全保障上級代表というのがいて、簡便に「EU外務大臣」と説明されることがあります。イギリスにはBrexit担当大臣もいます。