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Found in Interpreting

通訳・英語教育・時事などについて書いています

名前

私は毎日仕事で色々な人と会いますが、名前を呼んでもらえると感激します。通訳者は医者や弁護士と同じで、「通訳さん」と呼ばれることが多いからです。専門職であるので、「通訳さん」と呼ばれることは、アイデンティティでもあるのですが、休憩時間などにわざわざ名前で呼びかけてくれると、驚きますがうれしいものです。フリーになる前は社内通訳者をやっていましたが、そこではいつまでたっても「通訳さん」と呼んでくる人もいました。「派遣さん」と同じ扱いですね。かくいう私も、人の名前をなかなか覚えることができないので、反省しなければなりません。

ちなみに英語ではよく相手の名前を呼びます。手紙などの宛名も名前を最初に書くのが英語ですから、やはり所属している組織などより個人に焦点を当てるのかも知れません。名前を聞いた後は、随所で名前を使って相手に呼びかけるのも1つのコミュニケーション手段なのでしょう。

英語では気軽にファーストネームで呼び合うのが普通だと思うかも知れませんが、実は苗字にきちんとMrやMsなどをつけて呼んだ方が無難です。相手が博士号を持っている場合はDrとつけます。大学教授などで博士号を持っていなければProfessorで呼びかけるのがいいでしょう。相手からCall me (first name)と言ってもらえるまでは、きちんと苗字にタイトルをつけて呼ぶほうが無難です。もちろん、カジュアルな場で会った人であれば、そもそも自己紹介のときに相手がファーストネームしか言わないこともありますから、その場合は下の名前で読んで構わないと思います。

逆に、日本人の名前は難しいので、自己紹介をしたあとに発音の簡単なニックネームを付け加えるものいいでしょう。Please call me Takaなど、発音しやすいものを教えてあげれば、相手が名前を覚えてくれるかもしれません。やはり顔と名前が一致している人に愛着が沸くものですから、周りより頭1つ抜きん出られるかもしれません。

私は通訳のときは、重複している情報や、文脈からわかる冗長な部分は落として訳にメリハリをつけることもあるのですが、名前の呼びかけがあった場合は、なるべく訳に含めるようにしています。相手の名前を覚えて呼びかけたということは結構意味があることだと思うからです。といっても、名前は中国人などの場合をのぞいて何語でも一緒ですから、お互いの言語がわからなくても名前を呼ばれたことは分かるのでしょうが。